ジャズは気楽な旋律~木全信プロデュース~
V.A.
2016年01月20日発売
CD2枚組 / TKCA-74318 / ¥2750(税抜¥2500)
誰もが気楽に寛げ、聴く人の心のどこかに残る緊張感。
そんなジャズの楽しみを名曲・名演で聴く一枚。
選曲・監修の木全信氏はアート・ブレイキー、ベニー・ゴルソン、ケニー・ドリュー、チェット・ベイカー、ヨー ロピアン・ジャズ・トリオなど、数多くのミュージシャンのアルバムを手掛け、ゴールド・ディスクは 50 枚以 上、グラミー賞ジャズ部門に 2 度ノミネートという実績を持つジャズ・プロデューサー。今シリーズは昨年 平凡社新書から出版され大好評を博した、同氏執筆の「ジャズは気楽な旋律」を受けて企画された コンピレーション CD。徳間ジャパンコミュニケーションズ編は同氏がジャッキー・バイヤード・トリオやデュ ーク・ジョーダン・トリオなどメルダックレーベルに残した数々の名曲、名演を収録。
<Disc1 収録曲>
01. 枯葉/ドリームセッション'96
02. キャラバン/シダー・ウォルトン・トリオ
03. スター・ダスト/ジャッキー・バイヤード・トリオ
04. 黒いオルフェ/ドリームセッション'97
05. モーツアルト・ピアノコンチェルト No.21/ヨーロピアン・ジャズ・トリオ
06. 亡き女王のためのパヴァーヌ/ザ・ウエスト・コースト・オールスターズ
07. ブラームスの子守唄/オイゲン・キケロ・トリオ
08. パッショナータ/ケニー・ドリューJr.トリオ
09. ブルース・マーチ/ベニー・ゴルソン・ファンキー・クインテット
10. サテン・ドール/エド・シグペン~トリオ・シュープリーム
<Disc2 収録曲>
01. ラウンド・ミッドナイト/ドリームセッション'96
02. 酒とバラの日々/エド・ジグペン~トリオ・シュープリーム
03. アランフェス/ケニー・バレル&スタンリー・ギルバート・カルテット
04. ブルー・ボッサ/松本英彦&N.Y.オールスターズ
05. ブーベの恋人/チャーリー・マリアーノ&ミラノ・トリオ
06. セプテンバー・ソング/ジャッキー・バイヤード・トリオ
07. 舟唄/アーニー・ワッツ&スタン・ギルバート・グループ
08. イエスタデイ/ヨーロピアン・ジャズ・トリオ
09. センチメンタル・ジャーニー/デューク・ジョーダン・トリオ
10. 死刑台のエレベーター/ドリーム・セッション'97
<ライナーノーツ>
昨、2014年の4月に「ジャズは気楽な旋律」を平凡社新書版から出版した。
1970年代の終わりから約40年近く、ニューヨークをはじめ世界 各地を転々、300タイトルをこえるジャズ・アルバムを制作、多くにミュージシャンたちとの触れ合い、色々な思い出をまとめた僕の回顧録といっていい。
ジャズという音楽分野はそんなに大きなマーケットではなく、本を出したもののそれほど反響があるとは思ってもいなかったのだが、今やネット時代、思った以 上に反応があったのには驚いた。
その中でも、(本で紹介されている演奏を聴きたいのだが、レコード店でも中古ショップでも手に入らない。どうすればいい のか???) 入手困難のクレームが多く、僕自身も何の手立てもなくどうしたものかと思案。そんなある日、某レコード会社の社長さんと話す機会があり、 この話をぶつけてみた。
ところが驚いたことにその社長さんから、「木全さんが出版された本のカバーCDを企画したいと考えていたところで、すぐに考えましょ う」との言葉。
それがきっかけでその社長さんは、僕の制作した原盤を保持しているレコード会社と話し合い、今回このアルバムの発売元徳間ジャパンをはじめソニー・ミュージック、コロムビア・レコードの三社が賛同、2枚組CDセットとして三社同時発売するはこびとなった。
入手困難の問題はこれで解決したのだが、別の反応として「いつの時代からかジャズが全くつまらなくなってしまった。不協和音のようなサウンドを聞かされたり、キンキンした電気音に変わったり、50年代終わりから60年代のマイルスやエバンス、アート・ブレイキーなど自分たちの心をときめかせてくれたジャズはどこかに行ってしまった。それから何十 年もジャズとは全く無縁になってしまった。」こんな反響が意外に多かったのにも驚かされた。
そうした反応から思うに「ジャズは気楽な旋律」、このタイトルが 思いのほかかつてのジャズ・ファンの心に響いたようだった。
僕がジャズ・プロデューサーとしてスタートした時、これだけは守りたい、というレコード制作への心情があった。
「寛げるジャズ」「気楽に触れ合えるジャズ」そのうえで「アルバムのどこかに、聴く人の心に触れる緊張感をのこせれば・・・」 ジャズの初めをたどれ ば、アフリカから連れてこられた奴隷たちの祈りの唄(宗教歌)であり、綿摘みなど働くときに慰みで口ずさむ労働歌がその原点だった。
祈ったり、自分を鼓舞させたり、歌う楽しみに心寄せたり、そんな素朴な音楽が時代の移り変わりとともに変遷してモダン・ジャズと呼ばれるものに形を変えてきたのだ。
「ジャズは気楽な旋律」を読みながら、このアルバムを含めソニー編、コロムビア編を聴いていただき、もう一度ジャズ醍醐味を思い出していただければこんな嬉しいことはない。
そんなジャズの楽しみを名曲・名演で聴く一枚。
選曲・監修の木全信氏はアート・ブレイキー、ベニー・ゴルソン、ケニー・ドリュー、チェット・ベイカー、ヨー ロピアン・ジャズ・トリオなど、数多くのミュージシャンのアルバムを手掛け、ゴールド・ディスクは 50 枚以 上、グラミー賞ジャズ部門に 2 度ノミネートという実績を持つジャズ・プロデューサー。今シリーズは昨年 平凡社新書から出版され大好評を博した、同氏執筆の「ジャズは気楽な旋律」を受けて企画された コンピレーション CD。徳間ジャパンコミュニケーションズ編は同氏がジャッキー・バイヤード・トリオやデュ ーク・ジョーダン・トリオなどメルダックレーベルに残した数々の名曲、名演を収録。
<Disc1 収録曲>
01. 枯葉/ドリームセッション'96
02. キャラバン/シダー・ウォルトン・トリオ
03. スター・ダスト/ジャッキー・バイヤード・トリオ
04. 黒いオルフェ/ドリームセッション'97
05. モーツアルト・ピアノコンチェルト No.21/ヨーロピアン・ジャズ・トリオ
06. 亡き女王のためのパヴァーヌ/ザ・ウエスト・コースト・オールスターズ
07. ブラームスの子守唄/オイゲン・キケロ・トリオ
08. パッショナータ/ケニー・ドリューJr.トリオ
09. ブルース・マーチ/ベニー・ゴルソン・ファンキー・クインテット
10. サテン・ドール/エド・シグペン~トリオ・シュープリーム
<Disc2 収録曲>
01. ラウンド・ミッドナイト/ドリームセッション'96
02. 酒とバラの日々/エド・ジグペン~トリオ・シュープリーム
03. アランフェス/ケニー・バレル&スタンリー・ギルバート・カルテット
04. ブルー・ボッサ/松本英彦&N.Y.オールスターズ
05. ブーベの恋人/チャーリー・マリアーノ&ミラノ・トリオ
06. セプテンバー・ソング/ジャッキー・バイヤード・トリオ
07. 舟唄/アーニー・ワッツ&スタン・ギルバート・グループ
08. イエスタデイ/ヨーロピアン・ジャズ・トリオ
09. センチメンタル・ジャーニー/デューク・ジョーダン・トリオ
10. 死刑台のエレベーター/ドリーム・セッション'97
<ライナーノーツ>
昨、2014年の4月に「ジャズは気楽な旋律」を平凡社新書版から出版した。
1970年代の終わりから約40年近く、ニューヨークをはじめ世界 各地を転々、300タイトルをこえるジャズ・アルバムを制作、多くにミュージシャンたちとの触れ合い、色々な思い出をまとめた僕の回顧録といっていい。
ジャズという音楽分野はそんなに大きなマーケットではなく、本を出したもののそれほど反響があるとは思ってもいなかったのだが、今やネット時代、思った以 上に反応があったのには驚いた。
その中でも、(本で紹介されている演奏を聴きたいのだが、レコード店でも中古ショップでも手に入らない。どうすればいい のか???) 入手困難のクレームが多く、僕自身も何の手立てもなくどうしたものかと思案。そんなある日、某レコード会社の社長さんと話す機会があり、 この話をぶつけてみた。
ところが驚いたことにその社長さんから、「木全さんが出版された本のカバーCDを企画したいと考えていたところで、すぐに考えましょ う」との言葉。
それがきっかけでその社長さんは、僕の制作した原盤を保持しているレコード会社と話し合い、今回このアルバムの発売元徳間ジャパンをはじめソニー・ミュージック、コロムビア・レコードの三社が賛同、2枚組CDセットとして三社同時発売するはこびとなった。
入手困難の問題はこれで解決したのだが、別の反応として「いつの時代からかジャズが全くつまらなくなってしまった。不協和音のようなサウンドを聞かされたり、キンキンした電気音に変わったり、50年代終わりから60年代のマイルスやエバンス、アート・ブレイキーなど自分たちの心をときめかせてくれたジャズはどこかに行ってしまった。それから何十 年もジャズとは全く無縁になってしまった。」こんな反響が意外に多かったのにも驚かされた。
そうした反応から思うに「ジャズは気楽な旋律」、このタイトルが 思いのほかかつてのジャズ・ファンの心に響いたようだった。
僕がジャズ・プロデューサーとしてスタートした時、これだけは守りたい、というレコード制作への心情があった。
「寛げるジャズ」「気楽に触れ合えるジャズ」そのうえで「アルバムのどこかに、聴く人の心に触れる緊張感をのこせれば・・・」 ジャズの初めをたどれ ば、アフリカから連れてこられた奴隷たちの祈りの唄(宗教歌)であり、綿摘みなど働くときに慰みで口ずさむ労働歌がその原点だった。
祈ったり、自分を鼓舞させたり、歌う楽しみに心寄せたり、そんな素朴な音楽が時代の移り変わりとともに変遷してモダン・ジャズと呼ばれるものに形を変えてきたのだ。
「ジャズは気楽な旋律」を読みながら、このアルバムを含めソニー編、コロムビア編を聴いていただき、もう一度ジャズ醍醐味を思い出していただければこんな嬉しいことはない。
木全信(Makoto Kimata)